結婚式の日が決まりました!9月○日です!
秋の涼しい時期に高層階でキレイな夜景を見ながらのナイトウェディングなんですよ♪
きっとみんな感動してくれると思います!
それはおめでとう!
高層階から夜景を見下ろすナイトウェディングは絵になるね!
でも、水を差すわけじゃないけど、9月は台風シーズンだから天気は晴れになったらいいね♪
そ、そんな不安になること言わないでくださいよ~。
でも、確かに言われてみれば、9月って台風シーズンですよね。
もし、万が一、中止になったらキャンセル料ってどうなるんですか?
結婚式は民事のことなので、法的な観点から言えば、当事者間の契約内容次第ですね。
ただ、2019年の台風19号のように甚大な被害をもたらす台風が来た時は杓子定規に契約書どおり対応するかどうかは結婚式場によって大きく変わってきます。
また、台風が来ると見込んで延期する場合と台風が来てから延期する場合でも対応は変わります。
色々と違いがあるので、今回は結婚式の日に台風が来た時は延期なのか中止なのか。
キャンセル料はどうなるのかを見て行こうと思います。
結婚式の日に台風が来た時に法的観点
原則:結婚式の日に台風が来た時の対応は契約書の内容による
結婚式の日に台風や地震が来た時の対応は、契約書の『免責事項』に書かれていますのでチェックしましょう。
一般的には、次の3つの時には、契約当事者(結婚式場と結婚式を挙げるカップル)は免責になるとされているはずです。
- 天変地異や戦争など
- 出席者の生命、身体の安全確保が困難な場合
- 食中毒などを理由として行政などの公権力から式場が指導を受けた時
問題は、台風がこの事例に該当するか否かです。
令和元年台風19号(ハギビス)は台風としては初となる特定非常災害に認定される見込みで、特に東日本に大きな被害をもたらしました。
これほど大きな被害をもたらすほどの台風の場合、契約の原則に立ち返ると、結婚式場側が履行義務を果たせない可能性があります。
- 交通規制による移動制限によりスタッフの出社が困難
- 食材などの到着が困難
- 停電などによる式の進行が困難
そのため、式場側が本来果たすべき義務を履行できないため、新郎新婦側は債務不履行による損害賠償の請求ができる可能性、もしくは代金を支払う義務が無い可能性があります。
ただし、ほとんどの結婚式場は前払いであることから、損害賠償請求するケースが多くなると思います。
しかし、上記に挙げた免責事項により式場は債務を負わないとなれば、満足の行く結婚式にならないばかりか、ゲストの数も少ないまま開催し、しかも損害賠償もできないことになります。
結婚式の契約書は式場側に有利にできているという点に注意
結婚式場が作る契約書は、新郎新婦側に有利になっていることはほとんどありません。
たいていは、式場が損害を被らないよう式場側に有利になるよう作られています。
それは、免責事項を細かく見るとよく分かります。
『結婚式の遂行が不可能または著しく困難になったと“弊社が判断した時”は結婚式は中止できるものとし~』
と書かれているはずです。
本来であれば、
『結婚式の遂行が不可能または著しく困難になったと“弊社もしくはお客様が判断した時”は結婚式は中止できるものとし~』
となっていないと対等とは言えません。
“弊社が判断した時”ということは、台風が来ることが明白であっても、お客様がゲストの安全を考えて中止を判断したとしても、免責事項に該当せず、しっかりと結婚式の費用または、キャンセル料を請求できる規定になっています。
また、免責事項にはもう1つ、記載されていることがあります。
それが、次のような項目です。
『お客様と弊社のいずれの責に帰すことのできない事由でお客様側からの申し出で結婚式を中止すると判断したが、弊社は可能だと判断した場合は、結婚式の費用は請求できるものとする』
つまり、お客様側がいくら台風の上陸で危険と考えても、式場側が大丈夫と判断した場合には、結婚式の費用は請求できることになります。
そのため事実上、台風が来て結婚式を中止する場合は、結婚式の費用はキャンセル料として全額請求されることを覚悟してください。
ただし、同一の式場で延期する場合は、一部だけ支払いを免責してもらえるか、もしくは延期の手数料を支払うだけで済む場合もあります。
台風のときに結婚式を開催するかどうかの決め方
結婚式を開催するかどうかはゲスト視点で決める
台風が来た場合、新郎と新婦で結婚式を開催するかどうか、意見が別れることもよくあります。
特に台風が発生してから日本に到着するまでの1週間は、ひたすら悩み、時には喧嘩になるカップルもいます。
でも、喧嘩はやめましょう。
あなた方が悪いわけではありません。
どうしようもないことなのです。
人生最良の日を幸せな1日にするために欠かせないのはゲストからの祝福です。
そのため、ゲストを第一として決めましょう。
- ゲストは身の安全を確保しながら式場に来訪できますか?
- ゲストが式場に到着した際、雨に濡れた服を拭いたりなどケアはできますか?
- 帰りのタクシー代、宿泊代などを渡す準備はできますか?
- 遠方から来られる方は出発前に連絡できますか?
こういった視点で考えるべきです。
なによりも猛烈な雨と風の中、式場に来るのは命の危険があります。
そのため、明らかに命の危険のある規模の台風のときは、勇気を持って中止しましょう。
また、開催できるなっても台風の際は雨に濡れることは確実です。
式場にも協力してもらってタオルやドライヤーを準備しておきましょう。
公共交通機関が動いていない場合があります。
遠方からのゲストにはタクシー代や宿泊代を渡す準備をしておきましょう。
遠方から来られる方は前日入りされる方もおられるはずです。
出発後に延期や中止を連絡されても困ります。
その前に必ず連絡しましょう。
確かに、キャンセルや延期すると余計な出費が重なります。
でも、結婚式に来ていただくゲストは、大切なご友人、恩人です。
新郎新婦であるあなたは、ゲストをおもてなしする側です。
ご祝儀がもらえない上に余計な出費が出るのがヤダ!
ずっと楽しみにしてたんだから絶対やりたい!
そのような自分都合は、後にしましょう。
幸せな結婚式はゲストに祝福されてこそです。
あなたのゲストに対するおもてなしは、ゲストのこころに必ず届きます。
自分よりもゲストを大事にすれば、信頼関係はより深まります。
一時のお金や願望に左右されず、大切な信頼関係を積み上げることを考えましょう。
そもそも電車が動いていない場合は中止か延期が妥当
台風の大きさを見込んで電車が営業を停止することを予告している場合は、中止か延期が妥当です。
公共交通機関が動いていない場合、バスも動かないことがほとんどです。
その上、タクシーもなかなかつかまりません。
一口に台風と言っても、公共交通機関に影響が無い程度の台風なら結婚式を開くことは、事実上よくあります。
ただし、令和元年台風第19号クラスの台風が来ることが分かっており、かつ結婚式の日時に台風直撃の場合、中止か延期にしましょう。
台風の日に開催することを美談にしてはいけません。
エリアによっては本当に命の危険があります。
中止(キャンセル)か延期かどちらにしても料金が発生するにも理由がある
結婚式場も準備にお金をかけている
ここまで、新郎新婦側の立場で色々と書いてきましたが、結婚式場がキャンセル料や延期の料金を請求するのは、ある意味仕方の無いことなんです。
- 料理の材料は入荷済み
- 引き出物・引き菓子は購入
- 生花は調達済み
キャンセル料などを一切請求しないとなると、式場が調達するのにかけた料金がそのまま赤字となってしまいます。
結婚式場としても、新郎新婦の幸せのためとはいえ、ビジネスで事業を営んでいます。
そのため、台風がよく来る9月、10月に中止、延期のたびに請求しないとなると経営が成り立ちません。
そのため、費用を請求するのはある意味仕方の無いことなんです。
ただし、全ての式場が同じ対応を行うかと言えば、そういうわけでもありません。
なるべく良心的な対応をしてくれる傾向のある式場もありますので紹介します。
ホテルはゲストハウス(専門式場含む)に比べて紳士的な対応をしてくれる会場がある
ゲストハウス(専門式場含む)は、売上のほぼ全てが結婚式のみとなります。
そのため、結婚式の利益を取れないとなると即赤字です。
でも、ホテルは結婚式以外にも宿泊やレストランなどの別の収益源があります。
そのため、結婚式で利益を確保できなくても、宿泊やレストランである程度は補えます。
この収益源の差が台風のときのキャンセル料の請求に差につながります。
必ずしもゲストハウスは融通が利かず、ホテルは融通してくれるというわけではありません。
ただ、利益の構造を考えれば、ホテルの方が融通してくれる確率は高くなります。
延期や中止の相談は担当のプランナーではなく支配人とする
結婚式の延期や相談は担当プランナーではなく、支配人と行うと話はスムーズになりやすいです。
担当プランナーの役職にもよりますが、与えられている権限はやはり支配人とは全く違います。
そのため、プランナーで話がなかなか進まない場合は、支配人に直談判するのも1つの方法です。
その際、台風が直撃する日に開催することでの式場のデメリットをキッチリ整理して、論理的に話すことが効果的です。
また、中止ではなく同一会場での延期なら料金の融通も利いてくれやすくなります。
万が一にも結婚式を中止した場合にブライダル保険は使えるのか?
あそしあ小額短期保険というブライダル保険に関して言えば、台風が中止の際のキャンセル料の支払いでは使えません。
保険は、『保険料を支払う確率が圧倒的に少ない場合』に支払われるようになっています。
むしろ、頻繁に支払っていたら保険というビジネスが成り立ちませんからね。
その点から推察すれば、理由は明言されていませんが、日本は台風が頻繁に通過する国なので、台風が通過するたびに保険金が支払われていれば、保険会社が割りに合わないからだと思います。
まとめますと、結婚式の日に台風が来た場合、原則としてキャンセル料が発生するのはほぼ避けられないと覚悟しましょう。
その上で、やれるべきことはやりましょう。
結婚式の日に台風がくる可能性がある場合のチェック項目
契約前に契約書を確認して具体的な対応をチェックする
契約を結んでから特例措置を求めるのはほぼ不可能です。
そのため、契約前に契約書を見せてもらい、その上で台風が来た場合の具体的な対応をしっかりチェックしましょう。
ICレコーダーなどで証拠を残すことをお忘れなく!
キャンセルや延期は1週間前ではなく公共交通機関の営業中止が決まってから行う
台風が発生した途端にキャンセルや延期すると、ほぼ全額のキャンセル料を請求されます。
だから、台風の影響が明確になって、公共交通機関の営業中止が決まる直近のギリギリまで待つことです。
台風の影響がはっきりすればそれだけ交渉しやすくなります。
もちろん、その間、ゲストへの中止の可能性がある旨の連絡はしておくべきです。
台風シーズンは結婚式も前撮りも避ける
ぶっちゃけ9月から10月中旬までは台風シーズンです。
この時期はいつ台風が来てもおかしくないので、避けておくほうが無難です。
特に最近の台風は被害が大きくなっている傾向がありますので、万が一のことを考えるなら他の月にしましょう。
goo天気で過去の天気をチェックする
https://weather.goo.ne.jp/past/
結婚式を開催したい月日がどんな天気だったのか、過去の天気をチェックしましょう。
過去50年分さかのぼれるサイトを掲載しておきますので、確認して希望的な観測を避けましょう。
結婚式の日に台風が来たとしても
結婚式の日に台風が来ると、悲しいを通り越して運の無さに悲観してしまうかもしれません。
なんであたしだけがこんな目に遭うんだろう。。
でも、雨降って地固まるとも言います。
一生に一度の幸せの日をゲスト優先にして、みんなの笑顔のために動けば、あなたへの信頼が高まります。
お金は稼げばいいですが、信頼は失うと取り戻せません。
一生に一度の結婚式をゲストとの信頼を築けるチャンスになったと、プラスに考えましょう。
もし、台風であの日は台風で大変だったね。
そんなふうに笑えあえる日がきっと訪れます。